何かにつけて、人間関係の中で理不尽な出来事はあるものです。
双方に言い分はあるでしょうが、お互いに恨みや憎しみという感情を抱いてしまうこともあるでしょう。
しかし、相手が自分を恨み憎んでいたとしても、自分は人を恨む気持ちを持たないで、人を恨まない生き方をするほうがよい理由を解説します。
人を恨む気持ちを持っても仕方ない
人を恨む気持ちをまったく持たないということは難しいことですし、人を恨む気持ちを抱いてしまうことは感情として当然であるともいえます。
しかし、人を恨む気持ちを長期的に持つことは意味がないことです。
永遠に恨みを抱くような悲惨な出来事でない限りは、その瞬間や数日は恨みを抱いたとしても、早く捨てる努力をしたほうがいいでしょう。
人を恨む気持ちを持つことで、なにかプラスになると感じているのであれば多少持つことを否定はしませんが、多くの場合で人を恨む気持ちが良い影響を与えることはありません。
また、人を恨むよりも忘れる、切り替えるという選択をしたほうが、有意義な時間を過ごせますし、その恨みを持つことになった出来事とも決別できることにつながるので、人を恨む気持ちを持っていても仕方がないのです。
人を恨むのは次に進めず損で疲れるだけ
人を恨む気持ちを持っていると、そのきっかけとなった出来事にしがみついているだけで、次に進めません。
なぜ人を恨む気持ちを持ち続けるかというと、自分の正当性を保つためであったり、相手に非があるということにしたい、という部分も少なからずある場合があります。
また、これらの理由は、相手を恨むことで自己保身をしたいという自己愛や欲求のためでしかなく、自分は悪くない、大変な目にあったね、という同情心を得たいという気持ちや相手を悪者にしたいという気持ちがある場合もあります。
つまり、恨みという本質的な理由で恨んでいるわけではなく、あくまで自己都合で人を恨む気持ちを持ち続けてしまうことがあるわけです。
その結果、自分が思うような反応を周囲がしてくれない、自分が思うような展開にならない、などの別の理由から恨みを募らせてしまったり、別の恨みを生み出してしまうこともあるので悪循環に陥ってしまいます。
結局のところ、恨む気持ちを持ち続けるのは自分の中で消化できていない何かに固執しているわけであり、その自分の中の何かにこだわる限りは、自分自身が損をして疲れるだけといった状態になりやすいのです。
人を恨む気持ちは自分をネガティブにする
どのような視点からの人を恨む気持ちであれ、人を恨む気持ちはネガティブな要素になります。
はっきり言ってしまえば、ひとりで恨みを募らせていても何も得はありませんし、気持ちの良いこともありません。
ただただネガティブな感情や思考になるだけで、なにひとつ良い影響がないのです。
人を恨む気持ちを楽しんでいる、人を恨む気持ちでポジティブになれるという人もいるのかもしれませんが、そういう人でない限り、心身に良い影響はないと考えていいでしょう。
また、恨む気持ちからなにか行動を起こすこともあるのかもしれませんが、ネガティブな気持ちで起こす行動が良い結果をもたらすことはありませんし、少なからず自分に返ってくることもあります。
自分が受けたことを大きくしたいという気持ちもあるのかもしれませんが、客観的に見てそうでないと思われるようなことであれば、自分が騒げば騒ぐほど周りは引いていきます。
そのようなことをする中で、話を盛る、嘘をつくなどの行為をしているのであれば、自分自身の信頼や人間性も懐疑的にみられてしまうこともあるでしょう。
人を恨む気持ちを持ち続けてネガティブになるよりも、客観的に出来事や自分自身を振り返り、割り切って次に進むことが重要なのです。
人を恨まないでいても許さなくていい
人を恨む気持ちを持たないということは、無条件に相手を許すということではありません。
許せない相手であれば、許す必要はなく、許さないという気持ちを持つことは大事です。
反省もしていない相手や相手にも非があるのにそれらを認めないで被害者面だけしているような相手を、自分は反省する部分や罪を認める部分があったとしても、許すという気持ちを持つことはできなくて当然です。
ですから、相手を許すということとは別で人を恨む気持ちを考える必要があります。
相手のことは許さないが、恨む気持ちは持たないという状態にするのです。
罪を憎んで人を憎まず、という表現に近いのかもしれません。
相手とは分かり合えないと考えて、恨みや憎しみ、嫌いという感情を持つのにも値しない人間と考えて、許しはしないけどこれらの負の感情を持つ必要はないと考えましょう。
そうすることで、その人とは関りを持たず、当たり前の関係や会話もできない人だから仕方ない、と思えば、人を恨む気持ちを持つという段階にもならず、許さないという気持ちを持ちながら仕方ないなと割り切ることができるでしょう。
人を恨む気持ちはその人に固執することなので不要
人を恨まない生き方というと大げさかもしれませんが、出来る限り人を恨む気持ちを持たないほうが良いでしょう。
人を恨む気持ちというのは、その人や出来事に固執や執着し続けているという状態ともいえます。
例えば、ある出来事が起きて決着はついている場合に、その後もズルズルと人を恨む気持ちなどのネガティブな感情を持つ必要などはないでしょう。
決着がついたからといって、これまでのように接しろというわけではなく、付き合うことが無理と感じていれば二度と関わる必要はないと思います。
二度と関わらず、許す気持ちも持たなくてもいいですが、恨む必要はありません。
恨むことで、良い影響が起きることは少ないですし、恨む気持ちからその出来事やその人のことをネガティブな感情で考えてしまうことにつながるので、人を恨む気持ちは捨てて次に進んでいきましょう。