誰かが退職したことをきっかけに、
社員の退職が連鎖する現象、
「連鎖退職」というのが、起きてしまうことがあります。
退職が連鎖してしまう理由や連鎖退職が起きる会社の問題を考えていきましょう。
そもそも連鎖退職ってなに?
連鎖退職は、文字通り退職が連鎖して生じることです。
例えば、若手社員などが同期が辞めたのをキッカケに、
俺も俺も、と連鎖して辞めてしまうなどが起きたりします。
また、ある社員が退職したことをキッカケに、
示し合わせたわけでもないのに、退職が連鎖する場合もあります。
この場合は、影響力が強い社員の退職がキッカケで連鎖が起きてしまうということでしょう。
何人までが連鎖退職と定義することは難しいですが、
どちらにしても誰かの退職がキッカケで複数の退職者が出るケースが、
連鎖退職ということができるでしょう。
なぜ連鎖退職が起きるのか?
連鎖退職が起きてしまう理由として考えられるのは、
- 影響ある人物の退職
- 退職後の仕事の影響
が、大きな二つの理由であり関連している部分でしょう。
影響力がある人物が退職すると、いろいろと考えてしまう部分がありますよね。
えっあのポジションの人が辞めるの?という余波が起きます。
また、影響力がある人が辞めることによって、仕事にも影響を及ぼします。
有能な人が辞めると現場に混乱が生まれたり、
今まで捌けた仕事が捌けなくなる、上への理不尽な対応への壁がなくなる、
などの、負の影響が生じて俺も辞めようかなと連鎖退職の原因ができやすくなります。
こんな人が辞めたら連鎖退職が起きやすい!
会社の中でも、こういう人が辞めると連鎖退職が起きやすいといえる、
連鎖退職の引き金になりやすい、ポジションの社員がいますので紹介します。
ある程度高いポジションにいた社員
管理職など、平社員より上の立場にいて、
給与や条件面で優遇されている社員が退職すると、
あの位置の人が辞めるってヤバくないか?
と、不安が高まり連鎖退職が起きる火種になりやすいです。
現場の仕事に大きく関わってる社員
立場に関わらず現場の仕事に大きく関わっている社員が、
退職してしまうと現場に混乱が生じます。
抜けてみて初めて、うわっあの人がいたから大丈夫だったんだ。
と気が付くようなこともありますし、抜けてキツくなった結果、
連鎖退職が起きることは考えられますよね。
仕事ができると本当に思われていた社員
上層部の思い込みではなく、
一緒に仕事をして肌で、
この人はできるなと思われていた社員が退職すると、
仕事のしわ寄せや会社への不安を感じて連鎖退職が起きやすくなります。
長く勤めていて人望が厚い社員
長く勤めていて人望が厚い人が辞める。
これは後に続く人が出てきそうですよね。
不満はあるけど、この人がいるから続けている、
という考えの方は少なくはないのではないでしょうか。
また、長く勤めて人望がある社員が辞める会社ってどうなの?
って思うことも出てきますしね。
中途入社ですぐ辞めた社員
中途入社してきてすぐ辞めてしまう。
これだけで不思議な現象と言えますよね。
フレッシュな目線で会社の異常性に気が付いたのか、
この会社にいてもなと感じさせる何かがあったのか、
などを勘繰ってしまいますよね。
また、中途入社の方はキャリア採用なので、
ある程度のポジションに最初からなっていたりするので、
いろいろと辞めてしまうことに関して不安が生じます。
経理など会社のお金に関わる社員
会社の動きは金の動きからわかるといいます。
一番会社の金の動きを把握している経理こそ、
会社の行く末を予測しやすい立場とも言えるのです。
その経理が急に辞めてしまったとなると、
この会社ヤバいんじゃないか?と思わない方がおかしいわけです。
連鎖退職が起きやすい会社の特徴
辞める人の影響もあれば、会社が持つ問題などが原因で、
連鎖退職が起こりやすくなる、ということもあります。
まともな社員が退職している
まともな社員が退職していっている会社は、
無能やイエスマンだけが残るしか道がないので、
遅かれ早かれまともな社員は連鎖退職していくでしょう。
また、残った無能社員やイエスマンの中からでも、
生贄が生まれ辞めていくこともあります。
社長が暴走気味
社長が暴走している会社は、
会社としてもヤバい状態でもありますが、
愛想をつかした社員が連鎖退職することはあります。
退職理由が社長ということは中小企業だとよくあります。
不可解な人事や評価をしている
不可解な人事や評価を繰り返している会社からは、
まともな社員がやる気を失い連鎖退職する可能性はあります。
会社自体がしっかり機能していないのを見せつけられると、
この会社に貢献する気が失せて連鎖退職に繋がります。
会社の業績が下降気味
会社の業績が下降している、悪化している、
もうそれだけで連鎖退職の土壌があるでしょう。
沈みゆく船にいつまでも乗ろうとは誰も思いませんよね。
沈没を始めたら連鎖退職が起きるのに不思議はありません。
年中採用活動をしている
年中採用活動をしている会社は、
辞めていく社員が多いか人員が足りていない状況である、
ということができますので、
働いている社員からすれば不安が大きく、
連鎖退職が起きる要素があるといえます。
不満を持つ社員が多い
不満を持つ社員が多いのであれば、
一人の退職をキッカケに連鎖退職が起きやすいといえます。
また、不満を持つ社員同士が結託している場合もありますので、
一斉に辞めてやろうということも起きる場合があります。
ダメな会社は示し合わせの連鎖退職も起きる
ダメな会社はまともな人が辞めようとか見切りをつけるタイミングが近く、
この会社もうヤバいなとなった際に、
俺辞めるわ、じゃ俺も辞めようかな、俺も!と、
示し合わせの連鎖退職も起きやすくなります。
会社が傾いてきている、ダメになってきているのは退職理由としては十分ですし、
同じような価値観や危機感を持って働いている人同士、
もうこの会社にいても仕方ないなとなった場合に、
じゃ一緒に辞めようぜ、となることは不思議ではありませんよね。
意外と退職しようと思うタイミングは同じかも
連鎖退職といいますが、会社に不満を持って退職を考える場合は、
そう考えるタイミングは意外と同じなのかもしれません。
ましてや、同じ会社で同じ業務をしていたり、
直接関わってる人が退職していくのであれば、同じような経験をしているはずです。
また、同じような感情や不満を抱いても不思議ではないですよね。
たまたま、自分より早かった、自分が早かった、というだけで、
同じように不満を溜め、退職を考え出したが、多少のずれが生じて、
結果的に連鎖退職のようになってしまうということもあるのではないでしょうか。
退職が連鎖するのはキッカケ待ちが多いから
関係者の退職や近しい人の退職が、
結果的に退職が連鎖するのと同様に、
直接関係がない場合でも、連鎖退職が起きるのは、
どちらも、退職のキッカケを待っているからではないでしょうか。
退職したいなとか、転職しようかな、とは、誰しも思うことですが、
いざ踏む出すには決断が必要ですし、キッカケも必要です。
自分自身を納得させる出来事がないと一歩前に踏む出すような決断は難しいからです。
それが、近しい人の退職であったり、自分より立場や評価が上の人の退職、
会社の経営に影響する人の退職を見ることで、
ああ、この人も辞めるなら自分もそろそろ辞めなきゃな、と、
自分で自分の背中を押すキッカケとして利用することがあるから、
連鎖退職が起きる、結果として連鎖退職と思われるような退職が続くのではないでしょうか。
示し合わせて退職するパターンもありますが、
連鎖退職が起きるのは、様々な要因が絡んでいますし、
誰かの退職がキッカケで退職が続くということはどのような会社でも考えられるでしょう。