一般的に8時間労働が普通とされていますが、
8時間労働は長い、と感じることはないでしょうか?
8時間と言えば1日24時間の3分の1を占める時間です。
また、仕度や帰宅の時間を考えれば、
8時間以上と言っても過言ではありません。
8時間労働は当たり前という考え方を見直して、
労働時間の短縮を考える必要があるのではないでしょうか。
1987年から8時間労働は変わっていない
1987年の法改正で労働時間は以下のように定められました。
第32条(労働時間)
- 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
- 使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
とされて現状に至っているので、
8時間労働が一般的になっているということです。
まぁもっといえば8時間労働が基準として定められているということですね。
ですから、我々も8時間労働が普通であると捉えてしまっているし、
変わることのない当たり前のことと思ってしまっている部分があります。
ですが、30年以上前に決まった基準値であるということも、
考えておかなければならない部分でもあります。
8時間以上の激務や必要性がある仕事もあるので一概には言えませんが、
8時間労働って長いと働いていて感じることも多くありますよね。
また、30年前と比べるとパソコンの普及などのIT化も進み、
作業効率化や業務効率化、簡略化が進んでいる状況もあるので、
8時間労働からの労働時間の短縮を考えることも必要な気もします。
8時間労働は長い:実質10時間から12時間労働
8時間労働と言いつつ休憩時間も考えたら、
9時間は拘束されていますし、ちょっと残業すれば10時間、
通勤や帰宅の時間を考えたら12時間近くは、
仕事のために使わないといけないということになります。
朝早く起きて帰って家事を済ませたら、
気がつけばもう0時過ぎ、
なんてことはザラにあります。
疲れてもいるし明日も早いしもう寝るか、
となってしまうわけで、
仕事をしに行って帰って寝るだけの状態に、
8時間労働といえどなってしまうことがよくあるので、
長いと感じてしまう理由のひとつではないでしょうか。
8時間労働は長い:8時間もする仕事でもない
凄まじく忙しい日でもなければ、
普通に仕事をこなしていると8時間もいらない時があります。
時間を持て余せて、暇なのに最低8時間は会社に拘束されるわけです。
会社としても働いてる側からしても、
何もしないでただいるだけという無駄な時間が生まれる時があります。
また、人によっては仕事が早い人もいるわけで、
8時間かかることでも3時間で終わることもありますよね。
でも、他の人が8時間はかかるからって部分が基準となることもあります。
結果や生産性で見られているのではなく、
何時間会社にいたかどうかで結局判断されるので、
本当に毎日8時間が適正なのか?と考えると、
そういうことでもないってことは多くあるのではないでしょうか。
8時間労働は長い:8時間も集中や体力は持たない
8時間労働では時間を持て余すことがあると言いましたが、
8時間フルに本気で仕事をするのは相当疲れます。
集中力や体力は8時間も持たないのです。
ですから、やることがあっても能率は落ちますし、
ダラダラとやってしまうという弊害も生まれるわけです。
精神的にもこの仕事を8時間でやればいいのね、
となると、素早く取り組むという意識は働きにくいですし、
8時間で終わらせればいいというスケジュールで動きます。
早く終わったら早く帰っていい、
みたいな感じがあれば集中して1分でも早く終わらせる意識が働くでしょうが、
そもそも8時間も集中や体力は持たないうえに、
8時間という長い時間を設定することで、
余計に集中や体力を失う仕組みになっている気しかしません。
8時間労働は長い:8時間労働が最適という根拠がない
法律で定められているからといって、
8時間が労働時間として最適である根拠ではない、ことは理解しておくべきです。
科学的データや生産性、ストレス値など、
様々な部分から検証して労働時間が8時間が基準となっているわけではないのです。
そう決まっているから8時間、
昔からそうだからこれからも8時間、
という思考停止な状態で労働時間は放置されています。
働くという行為よりも、
8時間を会社や職場にいれば良い、
というような考え方になってしまっている部分があります。
ですから、仕事をしない人間も生まれるわけで、
バリバリ仕事をする人は不満を持つことにも繋がります。
これらの問題も、根本的に8時間って適正なのか?
という部分を考えないでおざなりにしてきたツケではないでしょうか。
業務効率化や生産性向上というが労働時間は短縮されない
業務効率化や生産性向上という言葉はよく職場で聞かれます。
ですが、残業をしたものが偉いという価値観はまだありますし、
そもそも業務効率化や生産性向上ができているなら、
労働時間も短縮されて行くはずです。
>生産性が向上したことで余暇が生まれるはずなのに、
仮に余暇が生まれたとしても別の仕事をそこに入れるのでしょう。
ですから、いつまで経っても労働時間は短縮されないのです。
人は楽をしたいから工夫をする部分があるはずですが、
会社では楽は悪と考えているのでしょう。
コストダウンは叫ぶくせに残業は推奨する、
残業代は出なくても残業するアホも生まれる、
なぜなら頑張っているように見えることが美徳とされるからです。
仮になんの生産性も成果もなかったとしても、
1時間ですべて終わる人よりも、
残業しまくって頑張ってる姿を見せて0.5する人の方が、
仕事を頑張っている、会社に貢献している人、
という考え方でいるせいで労働時間が短縮されていかないのでしょう。
8時間労働から労働時間は短縮を目指すべき
いい加減に、8時間労働が基準というのは見直して、
労働時間の短縮や作業効率に合わせた柔軟性も持たした方がいいでしょう。
8時間労働がわかりやすいという部分もありますし、
本当は働いていないような人もこのルールで助かっている部分はあります。
ですが、生産性や業務効率を本当に考えているのであれば、
労働時間は短くなるはずですし、休日も増えるはずです。
なぜか業務効率や生産性向上を叫ぶ人に限って、
長時間労働を美徳とする矛盾を見せてくることがありますが、
根本的な考え方が間違っているのか、
働いている人は休みたくないとでも思っているのでしょうか。
長い時間働くことが良いことではありません。
効率や成果という面が大事になってきます。
時給で働いた経験がある方で、自分が一番仕事が早いのに、
遅くて生産性が低い人と同じということに不満を感じたことがありませんか?
結局のところ仕事ぶりや成果や内容という面ではなく、
会社にいた時間で判断する価値観が支配する限り、
残業もなくならないでしょうし、労働時間の短縮もされず、
無駄な時間を会社で過ごしたもん勝ちの世の中のままなのかもしれません。