自己奉仕バイアスという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、内容を知るとあの人は自己奉仕バイアスになっているかも!と感じることもあるかもしれません。
自己奉仕バイアスを理解し、自己奉仕バイアスが仕事にどのような負の影響をもたらすのかを考えていきましょう。
自己奉仕バイアスとは?
自己奉仕バイアスとは、良いことは自分の能力や手柄のおかげ、悪いことは自分以外が原因、というような考え方のことです。
例えば、仕事で成果が生まれた場合は事実がどうであれ自分が関与したからだと考え、逆に成果が生まれなかった場合は自分が関与したのに成果が出ないのは誰かが足を引っ張ったからだと考えてしまうような状態です。
確かに、この考えが事実である場合もあるでしょうが、簡単に言うと良いことが起きるのは自分のおかげ、悪いことが起きるのは自分以外のせい、というような考え方ですので、現実とギャップがあったり、失敗を直視していないともいえます。
自己奉仕バイアスがすべて悪いわけではありませんが、失敗を直視せず他責にする、現実逃避につながるような部分から迷走をしていきやすく、この傾向が強い会社や社員はおかしくなっていく可能性が高いとも考えられるのです。
誰もが自分を肯定し、他人を否定していくという考え方では、仕事もそうですが人間関係などもうまくいかなくなるので、自己奉仕バイアスが強い会社や人は危険性があると考えられるでしょう。
自己奉仕バイアスの負の要素
自己奉仕バイアスの考え方は、ある意味で自分に自信を持っているともいえますが、悪い結果が出た際に他責にしてしまうので、自信というよりも自己保身が強いというようにも取れます。
また、良い結果であっても自信があるからでは説明がつきませんので、それは根拠のない自信を持っているだけの本当は能力がない人という場合もあるでしょう。
つまり、自己奉仕バイアスの人は、自己保身の考えが強く自己評価やプライドが著しく高い人間ということです。
これだけを聞いても面倒くさい感じがプンプンしてきますよね。
自己奉仕バイアスによる負の要素が大きく顔を出していけば、トラブルが発生するのも当然ですし、組織を指揮する人間が自己奉仕バイアスになっていると迷走をして崩壊していくことになるでしょう。
自己奉仕バイアスが強いことでダメになる理由
なぜ自己奉仕バイアスが強いことで、ダメになってしまうのでしょうか。
自己奉仕バイアスには、根拠のない思い込みや偏った思考が強く影響しているからです。
例えば、根拠がないことを正しいと思い込むことで失敗を繰り返す、より悪化につながるということが起きかねません。
また、根拠がない情報を鵜吞みにしたり、根拠がない情報を基に判断すれば、おかしな方向に行ってしまうのは不思議ではないでしょう。
これらは自分に都合の良い情報や耳障りの良い言葉だけを聞いたり信じていたいという人に多く見られる傾向ですので、確証バイアスになってしまっていたり、イエスマンが好きな人たちに共通する負の要素です。
結局のところ、自分が嫌な思いをしないようにする、自分が悪くないという考え方を持つ、ということであり、このような考え方に疑問を持つことができない人たちです。
つまり、自分の主張や考えを盲目的に信じ込んでいるだけで、否定的な意見や声を殺すという暴走をしやすいタイプなのです。
このような考え方の人間が会社の上層部に至り、同じ部署にいればダメになっていくのは当然といえるでしょう。
これまでうまくいっていたとしても、自己奉仕バイアスのような考え方が強ければ、何かうまくいかなくなった時に面白いぐらいにダメになって行ってしまうのです。
自己奉仕バイアスは客観性の欠如が害を呼ぶ
自己奉仕バイアスという考え方がどのようなものか、どのようなリスクがあるのか説明してきましたが、害を呼ぶ大きな要因としては、客観性の欠如という部分が言えるでしょう。
客観性がないと、様々な意見や声を参考にできませんし、間違いを認めたりリスクを回避するような行動がとれません。
ある意味で自信満々で決断力があると感じられる結果や場面もあるかもしれませんが、うまくいかなくなった場合はリスクしかなく、良かった時のことも客観的に振り返ることができないので再現性もありません。
また、自己奉仕バイアスにより客観性が欠如されると、思い付きや無理難題を押し付けるだけになる、ひたすらに求める結果だけを言って道筋は示さない、などの最悪な暴君となります。
これらを助長させるのが自己奉仕バイアスであり、自己奉仕バイアスをより増すことが得意な無能なイエスマンたちです。
本来は聞くべき助言や厳しい言葉を自分可愛さのために無視し続けることになり、自己奉仕バイアスが強いと害を呼ぶだけの結果になってしまうのです。